STRADABICYCLES -ストラーダバイシクルズ-

WRCラリーカーのイメージ? トレック〜DOMANE SLR DISK〜

BY TSUYOSHI UENO

「エンデュランス」
辞書でその意味を調べてみると「忍耐、我慢、辛抱・・・」
その意味は様々ですが、「この全てを解決するバイク、それがDOMANEではないか・・・」

新たに登場したDOMANE SLRを実際にライドし、よりその想いが強くなりました。

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DOMANEが誕生したのは2013年。その当時は「エンデュランス」という言葉はあまり認知されておらず、「ロングライドバイク」というような意味合いでDOMANEと対面したのを憶えています。

何よりも強烈なインパクトを残したのが「ISOSPEED」と呼ばれるテクノロジーでした。
「シートチューブをしならせれば、最高に乗り心地が良くなるんじゃないか?」
昔からまことしやかに言われていて、どこのバイクブランドも技術的に成し遂げる事ができなかった設計思想。

これをやすやすと乗り越えてしまったTREKの技術力に恐ろしさすら感じたのを昨日のように覚えています。

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DOMANEで高い評価を受けたISOSPEEDテクノロジーは、悪路を相手にするMTBやシクロクロスだけでなくエアロバイクのMADONEにも採用されるほどの存在に。これ以上の進化は無いんじゃないか?そんな風にも思われていましたが、これで満足しないのがトレックです。

新たに登場した新型DOMANEでは先代のISOSPEEDテクノロジーを進化させ、シートチューブに配置されたスライダーを上下するだけで振動吸収量を調整する事が可能になりました。
それもボトルゲージのネジを緩めるだけで一発調整可能!微調整する為にフレームをバラしたりする手間無く、走行中に「あ、ちょっと硬いかな?」と思ったら、直ぐにセッティングを変える事が可能なのです。うーん、スキがありません・・・

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そして、新型DOMANEではついに、このISOSPEEDテクノロジーをフロント部にも搭載。
前輪から伝わる衝撃をISOSPEEDテクノロジーによって、シャットアウトします。

しかし、「足、お尻、手」の3点で繋がるヒトとバイクにおいて、「手」の部分のインフォメーションは非常に重要。ともすればハンドリングに影響のある場所を、新型DOMANEはどのように「料理」したのでしょうか?乗る前から思わず期待してしまいます。

でも販売店のレビューとして小難しいことを並べるよりも、まずは試乗していただくことを強くオススメします!あまりのスムーズさにちょっと驚かれることでしょう。

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さてさて快適性を重視するモデルですので、今後のトレンドとなるブレーキ化にも抜かりはありません。
キャリパーモデルも存在しますが、新たにハイドロリックディスクブレーキを登載したモデルもラインアップ。
フロントフォークはスルーアクスル化され、強烈なブレーキングパワーに負けない強い足回りを実現しています。

しかしディスク化+スルーアクスル化は、マウント取り付けや捻れ防止の観点から、フロントフォークのカーボンレイアップを変更してあるケースが多く、結果としてゴツゴツとした乗り心地になってしまいがちです。
そんなネガティブな部分についても、DOMANEは前述のISOSPEEDテクノロジー、そして最近では珍しい前方向にベンドしたフォークレイアウトを用いる事で確実に問題解決を行っています。

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そして、トレックならではのPROJECT ONEも、もちろん対応。
いろいろとカスタマイズできることをお伝えしたくて・・・・・あえてドキっ!とするカラーを選びました(笑)

ロングライドを最高に心地良く、そして見ても美しい・・・
どこまでも走りたくなる高い性能と、所有欲を満たす機能美を持ったDOMANE、さて、どんな走りを魅せてくれるのでしょうか?さっそくライドしてみましょう!

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おおっ!!!

5m乗るだけでわかる「スムーズさ」に、まずは驚きました。
日頃はレーシングモデルでゴツゴツガツガツとレーシーな走りを楽しんでいる自分にとって、全く別物の乗り物に乗っているような衝撃です。

ロングディスタンス用ということでもっとダルい(失礼!)なバイクと思っていたら・・・・。なんだこれは!ものすごく伸びやかでグイグイ進んでいく感じ。
そう言えば、初代DOMANEに初めて乗る時、トレックの営業さんから「このバイクはレースバイクだと思ってくださいね」と言われたのを思い出しました。そうですね、これは「ロングライドもイケる、レースもイケるバイク」でしたね!

そしてアスファルトの荒れた箇所を連続して乗っても、角がとれた路面フィーリングで、なおかつ普通のロードバイクのように前輪が詰まった感じがありません。これがISOSPEEDの効果なんでしょうか?

危惧していたハンドリングも、とっても素直でニュートラル。コーナリングをしていて思わず唸ってしまいました。うーん、スゴい。

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そういえば弊社代表の井上がパリ・ルーベ・チャレンジというアマチュアライダーがパリ・ルーベを走るレースに出た時に、初代DOMANEを使ったのですが、帰国後の土産話「石畳セクションに突入したときの衝撃はハンパない・・・・。あれに匹敵するような路面は日本にない・・・・DOMANEじゃなかったらリタイアしてたかも」と話していたのを思い出しました。パヴェで勝つことを想定した足回り・・・・。そう聞くだけでなんだかWRCのラリーカーをイメージしてしまいました。

ワインディングロードでの長い下り坂。いつものサイドプルブレーキだとロックしないように、ブレーキパッドの音に感覚を研ぎ澄ませながら下っていました。ややもするとブレーキングばっかりに神経がいきがちだったように思います。
ハイドロリックディスクブレーキによって初動の効き始め、握り込み、解放が手に取るようにわかるようになりました。これはすごい!

ワンフィンガーでダウンヒルを楽しめる安全さ、快適さ。ディスクブレーキ化・・・アリです、大いにアリです!下りに苦手意識がある方や、手の小さなライダーにもコントロール性の高さという点でイチオシですね。

今回のレビュー撮影で下りコーナーをたくさん走りましたが、コーナーを曲がるためにはブレーキがいかに重要であるかをこれまで以上に知ることになりました。
WRCラリーカーがターマック(舗装路)でブレーキングを駆使しながら姿勢制御するような感覚ですね。(わかりにくくてスミマセン!)

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今回ご紹介した最上級グレード「SLR」、そしてSLRと同じくフロントにISOSPEEDテクノロジーを登載した、お求めやすい「DOMANE SL」そして、先代DOMANEのテクノロジーを踏襲した「DOMANE S」と数多くのラインアップが存在します。
最上級グレード「SLR」で培ったテクノロジーを様々なカテゴリのライダーに提供できるのもトレックのラインアップの強みです。

ndf_4857個人的には乗り比べをしてみて・・・やっぱりSLRの愉しさにヤラれてしまいました。
まるでレースモデルのような走りの軽さ、加速感、高速順行性、そしていつまでもどこまでも走りたいと思わせてくれる快適さ。

「もっと遠くへ、もっと前へ、そしてもっと速く」
そんなライダーとしての当たり前の欲求にストレートで応えてくれるDOMANE。
MADONEとはまた違う、スポーツバイクの魅力を感じさせてくれる一台でした。
うーん、スポーツバイクって奥が深いですね・・・(笑)

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TSUYOSHI UENO
上野 剛志

初めての方にも優しく丁寧に接客することがモットー。
副店長という職責からスタッフ間の調整役としての役割りが多い。
元アパレル業界での経験を活かし、サイクルウェアの着こなしやレイヤーのアドバイスもできる。
メカに対する探究心も深く、テックパートの責任者としても日夜研究を続けている。
ロードレース、とりわけ日本のJプロツアーのレースがとにかく好き。
自身もホビーレースで勝利することが目標。