【レースレポート】2011年 全日本マウンテンバイク選手権 マスタークラス

さて、ブログ第一弾の記事としまして、某所で記載しました「2011年 全日本マウンテンバイク選手権 マスタークラス」のレースレポートを以下に転載致します。

長文になりますが、宜しければお付き合い頂ければ幸いです!

6年間続けて来た挑戦は、今年で最後にする。 

様々な環境が大きく変わる事で、この先も同じレベルを保てるかどうかはわからない。 
次へのチャレンジは生半可な気持ちでは無いから、今回のレースが本当に最後のチャンスだった。 

だから、絶対に後悔するようなプロセスは踏みたくなかった。 
納得いくまで自分を追い詰め、追い込んだ。 

やるべき事をやる。それは意外と簡単だった。 
やってはいけない事をやらない。それが本当に難しかった。 
生活の全てが全日本のレースに繋がっていた。常に緊張していた。 

本当に辛かった。 

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レース当日。天候は晴れ。路面状況は最高の状態。マウンテンバイクのレースが出来る。 

レース一時間前のウォーミングアップ。 
コース脇の林道で一人心拍を上げる。反応が良い。脚も疲労感が無い。バイクが進む。 
あとは気持ちで負けなければ、勝てる。 

チームのみんなとしっかり握手して召集場所へ向かう。 
目標としてきた選手や、本気で戦いたい選手が、皆、揃っている。 

恐怖心。 
自分を全て出し切れるか?自分に失望しないか? 
敵は「誰か」、ではなく、敵は「自分」。 

自分に負けない。 
辛い思いをした分だけ、今、これからが楽になるはず。 

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ぐっと前を見て、クランクを踏み込み、レースが始まった。 

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スタート直後の登り。 
とりあえずは全体の様子を見る。 
意外とペースが遅い。みんなも様子見の状態? 

やはり、筧さんが飛び出す。踏んだ時の脚が違う。一気に離れる。 
北島さんが直ぐに後を追う。 
ここでインターバルを掛けて急激に追わない。少しずつ少しずつ心拍を上げて背中に飛びつく。 

3番手で最初の下りへ。 
少し離れても焦らない。ペースを守る。 
後ろの気配は消えた。 

駐車場を過ぎて、長い登りへ。 
筧さんと北島さんのスペースが開く。ここで離されるのはマズい。 
ギアを掛け、アウターで一気に筧さんの後ろに張り付く。 

あれだけ練習でキツいインターバルをやってきたんだ。 
1時間ならどんなに重いギアを掛けても垂れない、攣らない自信があった。 

まずは二人で争うよりも、速いペースで後ろを離したい。 
必然的に登りの強い筧さんが先行する。と言うか速すぎて前に出れない。 
そのまま前でペースを作ってもらう形でバックストレートまで進む。 

リフト下の登り返しで、ラインが開いたので前に出る。自分のペースで登る。 
直ぐ後ろに気配がある。いつでも行かれる感覚。 
自然と集中していく。周りが何も無く、筧さんだけが居る感覚。 

リフト下を登りきった後の登り返しで、すかさず先行される。 
やはり強い。自分のペースでは遅いという事か・・・自信が無くなる。 
下りも安定している。弱点はどこだ・・・不安が増す。 

そのまま二人並んで1周回終了し、フィード後の登りへ。 
少しだけペースが緩んだように感じたので、少し前に出てみる。すかさず並ばれる。 
肩がぶつかるような横並びで下りへ入る。先行される。気持ちで負けている。 
下りもスムーズで無駄が無い。どこを突けば良い・・・ 

駐車場の舗装路で踏み込むと、すっと横に並べた。 
またもや横並びの状態で、長い登りへ入る。 

迷いは無かった。ここで踏んでみよう。 
登りの最初から、思いっきり踏んだ。 
「5分間のインターバルだ。練習の方がキツイだろ」って思いながら。 

全日本の1週間前。 
みんなでやったインターバルトレーニングの風景を思い出しながら走った。 
背中に感じるみんなの気配。前に居る優大の背中。 

ふっ、と背中から気配が消えた。けど、後ろは見ない。 
登りの最後までは何も考えない。苦しみと対話する事だけに集中する。 

最高地点で横を見ると、少しだけ差が広がった。今しかない。今が苦しむ時。 
少しずつ、少しずつ差が広がっていった。 



2周回を終え、3周回へ。 
「30秒」と至る所で声を掛けてもらえる。 
全く安心する事が出来なかった。ワンミスで縮まる距離。相手は筧さんだ。何が起きてもおかしくない。 

一人で走っていると色んな事を考えてしまう。 
「あーあと2周か」「あーフィードも暑いだろーなー」「熱中症になったらどーしよー」「追いつかれたらどーしよー」「そーいや、時は1位なのかな?」「ゴールしたらなに飲もうかなー」 

「集中しろっ!」 
「下り、ラインだけミスらないように!」 
「後ろ、着いてきてるけど、大丈夫!」 
コースサイドからチームの仲間の声がする。仲間だけじゃなく、観客の方からも色んな声を掛けて頂ける。 

集中し直す。 
練習の時に見た、優大と時の青い背中を、目の前に思い浮かべる。 
その背中を追いかけて、集中し直す事ができた。 

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最終周回。 
フィード前で思いっきりアタックした。 
自分はまだまだ行ける、もっともっと走れる。って自分自身に言ってやりたかったから、思いっきりアウターを踏んで登った。 

その下り。 
視界の隅にバイクを押す筧さんが見えた。 
なんか、悔しかった。終わっちゃった、って気がした。 


苦手なシングルトラックの下り。 
絶対にコケないよう、ものすごく丁寧に下る。 
リフト下の登り。 
後ろは見えなくても、全く安心できない。全力で登る。 

リフト下の下りを終え、後ろを振り向く。誰も居ない。 
やっと、「勝てた」と思った。 

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最終コーナーを回ってゴールへ。 
胸のSTRADAを叩く。これだけはやろうと思ってた。 
なんだか分からないけど、叫んだ。そうしたら、止まらなくなった。 

目の前に仲間が居た。優子さんが居た。尊敬する選手のみんなが居た。その輪の中に入っていく。 
叫ぶ事しか感情を表す事ができなかった。 

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ゴールしてくる北島さんや小田島さん、リタイヤした筧さん、他にも大勢の同じレースを走った人から祝福の言葉を頂いた。 
涙が止まらなかった。 
がんばってきて良かった。走って良かった。逃げないで良かった。みんなと一緒で良かった。 

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挑戦は今年で最後にする。 

「全てが終わったら、燃え尽きて何もする気になれないんだろーなー」 
と思っていました。 

レースを終えた今、次のレースを早く走りたくて堪らない状態です。 
あの感覚。全てが無音になるヒリヒリしたような戦い。 
XCレース。ステキ過ぎます。やっぱり、そんな簡単に辞める事はできなさそうです。 

「来年はシニアエリートで、やりましょう」 
レース後、ある選手から、そう言って頂きました。単純に凄く嬉しかった。 

これからの環境で、どれだけ今の力やレース活動が維持できるかはわかりませんが、許される限り、自分の力が続く限り、追求してみたいと思います。 

本当にありがとうございました。

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