2012年5月アーカイブ

前戦での惨敗を糧に、しっかりと身体を作り直して臨む予定だった八幡浜のオリンピック選考会。

しかし、朽木の大会直後に取り組んだトレーニングによって逆に体調を崩してしまい、満足なトレーニングを積む事ができなかった。

濃密なトレーニングを課す事ができる身体さえも、メンタリティさえも持てない自分。
本当に自分は競技者として今後も続けていくことができるのか?

そんな漠とした不安を抱えつつ、4年ぶりのオリンピック選考レースのスタートラインに立った。



今回のレースから、新しいバイク「CANNONDALE FLASH29'ER」を投入。
昨年の八幡浜のレースで感じたビックホイールバイクの可能性。

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Photo By Itomemedia

井上店長に我侭を言い、新機材の投入をさせていただいた。
バイクのクオリティは非の打ち所が無い。後は乗り手が問題。

バイクに身も心もシンクロさせるまで乗り込んだ訳では無かったが、前日の試走では確かな手ごたえを感じる事ができた。



レース当日。天候は晴れ。完全に力勝負となるコンディション。
スタートコールは6列目くらい。前戦に取れなかったポイントが痛い。

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Photo By Itomemedia

スタート後、進路が無くなりフルブレーキ。後方スタートの場合、良くあるシチュエーション。仕方が無い。
そのままシングルトラックへ。この時点で50位くらいか。

八幡浜のコースはシングルトラック率が高く、半周もすればトップとの差が簡単についてしまう。
しかし、これも自分の責任。後半に控える舗装路の登り坂まで力を温存する。

そして舗装路の登り。
おかしい・・・身体のキレが悪い。得意の登りで踏めない。

思ったよりも先に進めず、40位くらいで1周目を終了。
この時点でトップや「自分が居たい場所」の選手は、もう、全く、見えない。

けど、諦めない。
少しでも少しでも前へ、一人でも一人でも先へ。

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Photo By 巨匠佐野大先生

ラップを重ね、どうにか25位くらいまで上げる事ができた時、チェーンジャム。
完全に自分のミス。焦った自分のミス。

一気に5名程に抜かれ、ここで終了。
前の自分ならここで「負けない気持ち」が芽生えていたが、今の自分にはそれが無い。
気持ちを裏付ける「やるだけやった」という練習量とその自信、誇りが無い。
だから、気持ちで負ける。

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Photo By Itomemedia

-1LAP。33位で終了。



レース後、かなり落ち込んだ。
誰とも口を利きたくないくらい、自分の殻に閉じこもった。子供みたいな態度を取ってしまった。情けない。

けど、悔しいんだ。

この気持ちには逆らえない。

今年一番の大きなレース、全日本選手権。
たった一週間。それだけしか猶予は無い。
この一週間で何ができて、何ができないか。

とりあえず、前戦と八幡浜で感じた「悔しい」という気持ち、自分自身に対する腹立ちを、前へ進む力に変えるため、一週間を過ごし、全日本を迎えようと思った。
自分が主戦場として闘うジャパンシリーズ。
実質上の緒戦となるJ1格式の第一戦が、地元滋賀県で開催された。

地元開催ということで、レースイベントの盛り上げを加速させるべく、当店ストラーダもブース出店を行う。
お店から2時間程度というロケーションの為、数多くのお客様やチームメンバーも応援にお越しいただいた。

そんな大勢の応援の中、恥ずかしい走りだけはしたく無い。

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心地よいプレッシャーの中、スタートラインに立った。



前年度ランキングと、前戦菖蒲谷のポイントが考慮され、スタート位置は2列目。絶好の位置。
午前中の雨によりコースは泥模様だが、降雨は無し。
途中の劇坂(壁)での押し対策で、バイクは26インチの軽量バイクを選択した。

スタート直後、身体の動きは悪くない。
少しでも前に入れるよう、前輪をねじ込んで行き、15番手くらいまで上げる。やはりスタート位置が良いと展開がやりやすい。

そして劇坂区間に入る。ほどなくして押しが入る。
元々膝が悪い自分は押しの練習ができない。
もちろんそれだけが理由ではないが、自分自身、押しがかなり遅いのを自覚している。
途端に落ちていく順位。
劇坂区間を終え、少し落ち着いた時点では20位前半まで落ち込んでしまった。

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それにしても、全体的に泥がキツい。
わかってはいるが、冷静さを欠いてペダリングが雑になり、結果、押しを入れてしまうことになる。集中できていない。

どうにか順位はキープしつつ、2周目へ入る。
相変わらず所々の泥区間で押しに入る。

シューズをペダルから外した際、違和感を感じる。
「バチン」ではなく、「グニャリ」と外れた感じ。

気にせず押しを終え、再びバイクに飛び乗るが、どうしても右足がペダルに入らない。
泥のせいだと思い、何度も何度もペダルを蹴って泥を剥がす。
しかし、どうしてもペダルがクリートをキャッチしてくれない。

「もしかして、クリートが緩んだか?」
いやな予感がしたが、ネガティブな要素は無視する。
右足がシューズに固定されない状態で登り、下る。
もちろんペースは大きく落ち、続々と後続に抜かれていく。明らかにおかしい。

しばらくランニングして、右足を見てみると、クリートが、無い。

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レースは終了。
次戦でのスタート位置を考え、1ポイントでも取れるよう、リタイヤせずにランニングして周回を重ねる。
大勢の仲間に声を掛けられながら。
自分の力を出せなかった、見せられなかった、その悔しさ、不甲斐なさを次戦に活かせるよう、しっかり受け止めながらトップにラップアウトされるまで自分の脚で走った。

結果、65位。1ポイント獲得。



今回、レースを走ってみて分かった事。
去年の自分と比べて、明らかに速くはなっていない。けれども明らかに遅くなっている訳ではない。

レースシーズンが始まってしまった今から大きな飛躍を遂げる為には、何かの変化が必要な事はわかっている。
後は、それをやれるか。やる意思があるかが重要。

自分がやりたければ、やれるはず。

悔しい気持ちはその想いを一層、強いものにしてくれたような気がした。