STRADABICYCLES -ストラーダバイシクルズ-

スタッフタイムレポート

2度目の富士ヒルで、プラチナへ挑戦!結果は・・・[スタッフ田中]

富士山五合目までを駆け上がるルートのひとつ、富士スバルラインを舞台に開催された、国内最大のヒルクライムイベント「富士の国やまなし 第21回Mt.富士ヒルクライム」

募集開始2時間で締め切られる、エントリーすら困難な超人気イベントです。

そんなエントリー峠を越え約9,000人の参加となった今回、私スタッフ田中は昨年の実績から「主催者選抜クラス男子」でのエントリーに成功。国内最速クライマーたちがひしめき合う中、プラチナリング(60分以内での完走)を目標に頑張ってきました!

そのレースレポートと、レース前後の旅行記です。


レース前日、お客様と共に朝から現地へ向かいます。最短は東名経由ですが、お客様の提案で美味しいものが多い中央道経由を選択。

道中の諏訪湖サービスエリア(上り)で、消化に良いものを心掛けて豚汁そば(大盛)と味噌焼きおにぎりをいただきました。誘惑はたくさんありましたが、ヘビーなものはお預けです。でも帰りのご褒美タイムに備え、品定めは抜かりなく・・・(笑)

※あまりに美味しそうな芋の和スイーツは食べてしまいました。(写真なし)

14時頃、現地へ到着。降水量4mm前後とそこそこ雨で靴がびしょ濡れになり、ちょっと憂鬱な中、昨年より幾分かスムーズに受付を済ませ、翌日の山頂への荷物を預けてからエキスポ(メーカー出展ブース)を見学。

あいにくの雨でゆっくりとブースを見て回ることが出来ませんでしたが、わずかな晴れ間には富士山を拝むことが出来ました。各社の新商品、気になる特別セール品など多数で、天気さえ良ければもっと賑わっていたことでしょう。

会場を後にし、17時に富士吉田市「歩成」さんで早めの夕食。消化に良い、栄養たっぷりな山梨の郷土料理と言えば・・・そう、「ほうとう」ですね。旅の醍醐味、現地でしかいただくことの出来ないものを食べて、心のエネルギーも満タン!ホテルについてからはウェアにゼッケンを貼ったり、念入りに当日の準備を。ゆっくりお風呂に浸かり、サプリメント類を摂取、22時前には就寝。

0:20起床。2時間半ほど寝たところで完全に目が覚めてしまい、もう寝付くのは諦めました。昨年のレース動画などを見ながらコースやレース展開を予習。暇すぎて2時前には朝食を取り始めます。ローカルスーパーで購入したローカルなかしわ飯、蒸しパン、カステラなどで約1300キロカロリーを摂取。

もともとの起床予定だった3時になってもだらだら過ごしてしまい、集中力なんてあったものじゃないですね。いつも通り便秘ですし、いつも通りのレース前のコンディションといった感じ。4時、コンビニでコーヒーを買って会場へ出発。

雨でこそありませんが、どんよりとした曇り空。全然テンションが上がりません。

駐車場は、恐らく一番標高の高い場所(後述しますが間違いなく大ハズレ)で気温は10度前後。昨年の反省を活かしローラーを持ち込み、15分ほどかけてウォームアップを行いました。しかし、負荷が弱すぎて回りきってしまい、心拍を150までしか上げられずアップ不足は否めません。使い慣れたマイ4本ローラーを持ってくるべきでしたね。

会場へ向かう前に。2人とも私のバイク重量をさらに下回る、6.4kg以下というガチ仕様。

会場へは4kmの下り。冷えてしまうので、本当はウィンドブレーカーなどを羽織って行きたかったですが、荷物を預けられる確証がないので出走する格好のまま会場へ向かいます。昨年の様にサポートしてくれるメンバーが居てくれるとだいぶ違いましたね。昨年と違いスマホを持たず走ったため、以降頂上まで写真はありません。

主催者選抜のレーススタートは6:30。迷子になりながら他の参加者に道を聞きつつ、なんとかスタート25分前にスタート地点に到着。道を引き返すのに脚を使うことになり、心拍は150ぐらいには一時的に上がりました。トイレを済ませ、顔見知りのメーカーさんやお客様に軽くあいさつ、その後主催者選抜男子155人中100番目ぐらいのところに並んだと思われます。周りとは会話も出来ず、レース開始まで緊張しっぱなしでした。スタート直前に、もう一回トイレに行きたいぐらいでしたね。

開会のあいさつなどを聞いている間に、気づいたらスタートの時間。

N様が撮影してくれてました!感謝〜 (20秒あたりで手前側を通過します)

リアルスタートまではパレード走行となりますが、さすが選抜。リアルスタート前から明らかに昨年の一般枠よりハイペース、しかもぎゅうぎゅう詰めに近い状態です。前後左右、ギリギリの車間距離で頻繁にブレーキ&ダッシュがかかり、一瞬も気が抜けません。(今思うと、これも先頭が通過した瞬間に全員が計測開始となる、グロスタイム方式に起因してそうですね)

富士スバルラインへのコーナーを抜けたらすぐ、前方集団が急激にペースアップ。先頭がスタートラインに差し掛かり、リアルスタート。自分のスタートライン通過と同時にラップボタンを押します。24km、1200mUP、約60分の長旅が始まりました。

さて、今回の作戦は、中切れに注意してとにかく集団に食らいつくこと。自分が先頭に出る状況がないであろうことは、最初から自分が一番よく分かっています。とにかく脚をセーブしてセーブして、あわよくばプラチナ獲得を狙うという、なかなかに他力本願な作戦です。それしか道はないというか、相応のトレーニングを積めていませんので消極的でした。

序盤から勾配変化の度にペースも変化し、緩いなと感じるタイミングもあれば、食らいつくためにFTP以上を踏まなければならない展開も頻発。3~4km付近からは中切れが目立ち始め、集団から徐々に離れる人が続出。中切れに巻き込まれないよう、中切れを先頭でブリッジすること4、5回。その度に短時間ながらFTPを大きく超えるパワーを出すことになるので、ジワジワ消耗します。スタートから40~50人は抜き、徐々に前に上がりました。

リアルスタートから9km地点、22〜24分ぐらいでついに集団から離脱。厳密には限界ではないのですが、このペースを、中切れをブリッジしながら最後まで続けるのは恐らく無理だと判断。それでも昨年より速いペースなので、プラチナは不可能ではないという認識でマイペースに切り替えます。この時点で後ろには誰もおらず、記憶する限りでは以降誰にも抜かれていないはずです。中切れで誰かに迷惑をかけないことは、最低限達成しました。

前から落ちてくる選手を抜かしながら、徐々に順位を上げます。標高が高いところでは、酸素濃度の関係から10~20%程度パワーが低下します。自分のFTPが約340wなので300wを大きく超えないようペースを調整。心拍数は170~177程度。19km地点まで、協調してくれる方が1名、ローテは出来ないがなんとか食らい付いてくる選手が3人ほど。なんとなく緩斜面では自分が、やや斜度のある場面ではもう一人が半々ぐらいで引きました。周りに声をかけ、自分自身を奮い立たせるつもりでペースをキープします。

20km手前、落ちてくる選手を回収し続け、勾配がキツくなる手前で10人ぐらいの集団になります。そのタイミングで突然集中の糸が切れてしまいそうになり、自分が集団最後尾に回った際に一回距離を空けてしまいました。でも、諦めてゴールドすら逃す自分の姿を想像し、それだけは避けたいと思いなんとか持ち堪えました。苦し紛れのダンシングを入れつつ、その後も1~3回はローテを回しました。

ラスト2.5km、勝負どころのド平坦。気温は7度で足先の感覚が若干鈍い。この時点で手元で58分30秒、しかも向かい風。通常、ここからゴールまで約5分らしいのでこの時点でどう転んでもゴールドにしかならないことが確定。10人ぐらいの集団で通過した平坦区間では一度も前に出る機会はなく、ラストスパートの急斜面も若干スプリントはしたものの全力ではありませんでした。(ネットタイムだと思っているので)

最終結果は、56位 62分31秒(ネット)、62分41秒(グロス)

平均パワー288w(NP293w)、平均ケイデンス88rpm、平均速度23.0km(最大40.9km/h)、 平均心拍170bpm(最大177bpm)、CTL52/ATL56

2秒差以内に6人の小集団ゴールだったので、あと2人ぐらいは抜かせたかも。でもプラチナが獲れなかった時点で今回のレースは完全敗北です。

一応、タイムは昨年からは1分だけ更新。昨年は左足首に重度の捻挫(全治8週間以上)を抱えていたうえ、ウォームアップなし、機材も今年より500g重く、パワーも出てなく、ラストも追い込んでもいないのに相対的にタイムが良くて違和感。自分だけでなく、今年は全体的にタイムが悪かったようで、風向きが主な原因だと思います。


今回の反省点、備忘録を兼ねて

・ある程度前に並ぶ(中切れして迷惑をかけることが嫌で遠慮しすぎた。グロスタイムで後ろに並ぶメリットは基本的にはなく、プラチナを獲れるのはおよそ30人までなので迷惑にならない程度に前方に並びたい)

・60分以上のトレーニングを行う(30分以上の高強度、恐らく今年は一回もしてない)

・実走トレーニングを行う(外走らなすぎ)

・調整のためレースに出る(伊吹が流れ、これがシーズン初戦になったのは痛手だった)

・ルールを細部まで読む(基本です・・・)

・減量、禁酒をもっと前から

・ウォームアップ用ローラー、内容の見直し

・ちゃんと寝る(期待薄・・・)

・試走して高地に順応しておく

・エアロワンピースが欲しい

・スタート前の服装、サポート体制(走らない誰かがスタート地点にいるとかなり有利)

一般枠とは展開も目標も根本的に違うと分かったので、もう同じ失敗はしません。

来年は絶対にプラチナを獲ります!!


使用した機材

フレーム:FACTOR OSTRO VAM 2.0 Chrome 52

ホイール:CADEX MAX40(リムテープStan’s / バルブ DT SWISS)

タイヤ:VELOFLEX RECORD TLR 25c(4℃ CREST LOAD施工)

ハンドル:FARSPORTS F1X 360-130mm (カスタムOD1シム使用)

シートポスト:DARIMO 15mm offset

サドル:CADEX BOOST

コンポーネント:SHIMANO DURA-ACE R9270(CS-R9200 11-30T、サテライトスイッチ使用)

クランク:Elilee X-Novanta 170mm+SIGEYI AXOパワーメーター R9100 53/39T(2月に予約したCarbon-Ti間に合わず)

ペダル:SHIMANO PD-R9100(チタンシャフト化)

バーテープ:Supacaz SUAVE(エンドキャップ Guee加工品)

スルーアクスル:OVERFAST

ブレーキ:GALFER WAVE ROTOR 160/140mm 、SWISS STOPブレーキパッド

ボトル:abloc(Short) TNI Just 7 カーボンケージ

総重量 6.40kg サイコン込み

大部分は昨年と同じですが、520g軽量化しました。

ボルト1本、0.1g単位まで、考えうる全ての軽量化を行い、その上で最大限のエアロ獲得も狙った構成。

ヒルクライム最速タイヤRECORD TLR(転がり抵抗値世界2位、重量は圧倒的最軽量の175g)は廃番らしく、恐らく来年使用できないのが懸念事項。

70g重くなるが、プーリーは普段使っているCeramic Speed OSPW RSの方が圧倒的にストレスがない(特にアウターロー付近数枚)と再確認。軽量化よりも抵抗減と変速性能を追求した方が良い。

バーテープはエンドキャップ込みで片側10gでも不満なし。

直前に用意したサテライトスイッチが非常に有効だったので、常用確定。

ドリンクは「パワープロダクション クエン酸&bcaa」、30分前にミトロングのジェル(S様ご提供)

ギア選びが煩わしいシーンがあったので、来年は46T/11-34Tのフロントシングルにしたい。


レース後

山頂で早々に荷物を回収し、1時間はお客様のゴールシーンを狙って撮影。

本当はみんなで集合写真も撮りたかったですが、スタート時刻が1時間以上違う方も複数いるため断念。また、最終的に5合目に8,000人以上が集まることになるのでゴール後は随時下山する必要があります。(写真を撮れなかった方はごめんなさい)

下山時はチーム関係なく登ってくる選手を応援。声が枯れるほど応援しましたが、寒さが紛れ、返答があると嬉しくて楽しくなります。ストラーダライダーズの皆さんも、ほとんど見つけることが出来ました!Newジャージ、以前より落ち着いた配色となりましたが、意外とよく目立ちますね。

下山後、参加賞の名物・吉田うどんをいただいて、フィニッシャーリングの受け取り。昨年よりは1分以上タイムを短縮しましたが、プラチナは来年にお預けです・・・

その後、またもや迷子になりながら出がらしの状態で7km、地獄のヒルクライムを強いられ駐車場に戻り(ほんとにレース並にしんどかった)、御殿場のホテルへ。

シャワーしてからご褒美のランチ、スイーツ、お昼寝してディナー。もはや、こっちが本番まであります!

ホテル近隣イタリアン「マジョリカ」さん。もちもちの自家製パスタが特に美味でした。

ランチ後その足で恒例のローカルな洋菓子屋「アンドロア・パレ」さんで好きなものを好きなだけ。至福。

ディープすぎるPIZZAとビールのお店「HORAANA」さん。ホンマに色々とディープすぎる。

生地うまっ・・・さすが水の良い、天下の富士山麓

ローカルな居酒屋「ここだらぁ」さんでしぞーかおでん、活け造りのアジを含む鮮度抜群な刺身の船盛など・・・

禁酒(言うて10日)の反動でお酒がとにかく旨い。ご当地のビール、日本酒、ワインとそれに合う料理、締めのコンビニスイーツ爆買いで大豪遊しました。

そして、ゆっくり休んで翌日も豪遊・・・

和菓子の最高峰、「とらや工房」で煎茶と共に最上級の和菓子を。ここでしか買えないようかんも買いました。

昨年食べられなかった、とらや工房のおこわ(激うま)

その他一部写真忘れましたが立ち寄った全てのサービスエリアでも豪遊し、旅の醍醐味を最大限満喫。(諏訪湖下り、恵那峡下り)

とりあえず、中央道最高ですわ!(一日何食?)

さらには彦根に帰ってからもその足で豪遊・・・(もはや旅関係ない)

やっぱりね、私は美味しいものを食べるのが何より好きなんです。自転車と同じかそれ以上に。

そういう方、けっこう多いと思います。レースのご褒美に年数回の贅沢を・・・という意味でも、富士ヒルは大いにアリなんです。旅行がてら連れて行けばご家族もきっと喜ばれることでしょう。てことで・・・来年はぜひ一緒に富士ヒルに出場しましょう!!(笑)


こんな感じで、今年の最大目標であった富士ヒルは幕を閉じました。おそらく現時点で世界で60人前後しかいないはずのプラチナレコードホルダー。想像以上にブ厚くて高い壁だと思い知りましたので、この一年はもうちょっと真面目にトレーニングします!

レースについてのご質問や、機材面のご相談、トレーニング方法、ご当地グルメ情報(笑)などなど、なんでもお気軽にご相談くださいね。

さて、次の目標はSDA王滝!これからはMTBもバランス良く乗っていき、こちらは51kmの部で連覇を目指して頑張ります!!

この記事を書いたスタッフ

HIROKI TANAKA
彦根店 店長 田中 宏樹
明るく朗らかな性格で常に元気に仕事をしているフロアスタッフ。
各メーカーのジオメトリーやサイズ、規格などに精通しており、それを諳んじるぐらいに記憶している。
元陸上部だったこともあり、高い心肺機能を有していることから、ヒルクライムのホビーレースで上位に食い込む実力がある。
とにかく時間があれば自転車に乗っている自称・他称「自転車バカ」。
イベントでは初めての方が安心して乗り出すための「デビューライド」や「モーニングライド」、
また平日休日問わずに行われる「トレーニングライド」など多岐にわたる。
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