STRADABICYCLES -ストラーダバイシクルズ-

MTBに革命をもたらす、唯一無二の存在 ~ Cannondale LEFTY OCHO & F-Si ~

BY TOMOTAKA YAMAMOTO

最初に言ってしまいましょう。私、このバイクに惚れ込みました。

非常に個人的な話ですが、マウンテンバイク クロスカントリー競技(XC)に10年以上どっぷりとはまり込んでいた私。今まで数多くのMTBを所有して来ましたが、ここまで衝撃的に、ここまで進歩を感じさせる”マシン”に出会ったのは初めてかもしれません。それほどのインパクトを感じさせた「新型 LEFTY & 新型 F-Si」でした。

まずは全く新しくなった「LEFTY OCHO」について。
「OCHO(オーチョ)」とは数字の「8」を表します。が、何の「8」かと言うと、LEFTYが2000年に生まれてから「8世代目」という事を意味するそうです。
そのほとんどの世代を使って来た自分として、何よりも驚きと「不安」だったのが「シングルクラウン化」でした。

 

LEFTYを初めて見た人が思う事って「大丈夫?」ではないでしょうか?
単純に2本足が1本足になると言う事は強度や剛性が不足するように感じさせます。もちろん長年使っている自分としては「全然、大丈夫」なのはわかりきっているのですが、従来のヘッドチューブを上下で支えるダブルクラウンから、ヘッドチューブの下部だけで支えるシングルクラウン化は「大丈夫?」と感じさせるに十二分でした。

そして、LEFTY OCHOのインパクトの大きさで、ちょっと薄れてみえるF-Siフレーム本体ですが、見た目一発ではわからない「アウトフロントジオメトリ」であったり、より進化した「Ultra Slim Save」など、実は新しいテクノロジー満載だったりします。

さて、前置きはそれくらいにして、早速、フィールドでその実力を試してみましょう。


さて、LEFTY OCHOですが・・・乗ったらすぐにわかりました。「なんじゃ!これ!」です。

とにかくクイックで、自然で、曲がりやすくて、寝かしやすくて・・・
29erのMTBに乗った事のある人なら、ひとつのカーブを曲がればすぐにこの意味がわかってもらえると思います。

これを言ってしまうと・・・なんですが・・・「ダブルクラウンって要らなかったのか・・・」と・・・

様々な解析結果によると、実はハンドリング時、剛性が”強すぎる”事によっても逆に弊害が出るらしく、LEFTY OCHOによって敢えて剛性を落す事でより”しなやかなハンドリング”が実現できたという事です。
それでも他の2本脚のフォークと比べると剛性はわずかに高いというのだから驚きですね。

単純にダブルクラウンからシングルクラウンになる事で、よりヘッド部分が軽くなったおかげで、より「倒し込みやすく、それでいてしっかりネバる」LEFTY独特のハンドリングが更に進化している事を実感できます。とにかく下りが安定して、狙ったラインが外れません。

そんな下りが安定するのはヘッド角「69度」を実現した「アウトフロントジオメトリ」のおかげ。

ダウンヒルバイクと比較してみると一目瞭然なんですが、下りで安定させるにはヘッドを寝かします。オートバイでいうとハーレーなどのアメリカンバイクをイメージしていただくとわかりやすいですね。
しかしヘッドを寝かすと言う事はハンドリングに「ダルさ」が生じたり、ホイールベースが長くなってしまうので全く「登らない」バイクになってしまいます。

そこでF-Siが採用する「アウトフロントジオメトリ」です。
ヘッドを寝かせて下りの安定性を向上させても、1446gという超軽量のLEFTY OCHOですからハンドリングのクイックさは全く損なわれません。

尚且つ、リアホイールをオフセットさせてチェーンステーを短くさせる「Aiインテグレーション」により登りでの反応性を向上。
LEFTY OCHOをロックアウトし、ダンシングして坂を上ると、それは、もう、後ろから「蹴っ飛ばされたような」加速を身体全体で感じる事ができます。これは病みつき・・・!

ハードティルバイクの場合、フルサスと比べると腰への負担も大きかったのですが、そこは更に細くなったリアの「Ultra Slim Save」が今まで以上に”しなり”を生み出し、とんでもなく優しい乗り味を生み出します。

ダンシングでも進み、シッティングでも快適に前へ。むちゃくちゃラフなペダリングをしてもしっかりリアの路面を食いつくのは、このリアサスペンションシステムが動いてくれている(しなってくれている)からなんでしょうね。

とにかく今までの私の経験上では正直言って「これ以上は無い」と実感できた「新型 LEFTY & 新型 F-Si」でした。
今の選手ってこんなに凄い機材を使ってるんですね・・・生まれて初めて29erに乗り換えた時、いやそれ以上の衝撃を受けた一台でした。

特にこの新型LEFTY & 新型F-Siを登載し、SRAM XX1 EAGLEとカーボンホイールまでアッセンブルされた「F-SI HI-MOD CARBON 1」は、これだけのスペックで「750,000円(税別)」と破格ともいえるプライス。
日本へ入って来る数もごく僅かとの事なので・・・すみません!早速、自分用に1台、発注してしまいました!
(ちなみにストラーダバイシクルズには、限定の特注カラーのF-Siが1台だけ入荷予定です!詳しくは山本まで!)

今まで眠っていた、自分の中にあるXC魂を呼び起こさせてしまった、「新型LEFTY & 新型F-Si」
それは、今までのXCバイクの概念を吹っ飛ばす、キャノンデールらしい独創性に満ち溢れた、唯一無二のトガったキャノンデールを感じさせる名作でした。これは・・・MTBに革命を起こす一台かもしれません。

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TOMOTAKA YAMAMOTO
山本 朋貴

IT企業での経験を活かし、自転車業界では類を見ない、独自の情報管理システムを構築している。
また社員教育も担当し若手スタッフの研修を手がけている。
イベントの得意分野は自身の経験を活かしたパワーメーター講習。
長年マウンテンバイクのレースを走ってきたが、昨年からトライアスロンに挑戦。
オリンピックディスタンスやアイアンマン70.3のレースを中心に出場する。
2011、2012年全日本マウンテンバイククロスカントリー選手権・マスタークラスチャンピオン。