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【レポート】ジャパンカップ マヴィック・キャノンデール帯同記

L1002648.JPG日本最高峰のロードレース「ジャパンカップ」でマヴィックSSCチームに帯同させていただきました。
栃木県宇都宮市で毎年開催されるこのレース、世界のトップライダー達も参加することで大変有名です。
マヴィックカーに乗るのは、4月にパリ〜ルーベでニュートラルサービスカーに同乗させていただいて以来、国内では、ツアーオブジャパン以来の体験です。しかも今回は日本最高峰のレースということで大変興味をそそられました。残念ながら今回はニュートラルカーではなくゲストカーの方でしたが、それでもレースの熱い雰囲気が伝わってきて大変勉強になりました。
マヴィックはニュートラルサービスの名の通り、きわめて中立的な立場でレースサポートをすることで有名です。自社のプロモーション目的のサポートではなく、純粋にレース活動の一環として行っています。そのスペシャリティースタッフのチームが「マヴィックSSCチーム」です。彼らは常に選手に寄り添い、万が一のトラブル時に公平な立場でホイール交換やバイク交換を行い、レース展開に支障が出ないように献身的に活動しています。一目でそれと分かるイエローカー、イエローモーターサイクルに乗っているのでご覧になった方も多いと思います。
本場ヨーロッパで同乗した時も感じましたが、選手やチーム関係者からの信頼がとても厚く、バイクにトラブルがあると、チームカーよりまずマヴィックカーに駆け寄る選手もいるぐらいでした。また単にホイール交換やバイク交換のトラブルに対処するだけではありません。レースの展開を無線で全関係者に伝える「ラジオツール」という無線チャネルがあるのですが、たまにレース展開が見えない箇所では、常に先頭に帯同しているニュートラルカーやバイクが主体となって状況報告を行うこともあります。またバイクトラブルのみならず、落車時に選手の状況をドクターカーに伝達することもあります。故に選手のみならず、レース関係者からも絶対の信頼を置かれているのです。
彼らの創るホイールは、こういった豊富な実戦データを基に開発されているものばかりです。マヴィックは、ただ単に軽いだけ、見た目をコピーしただけ、安いだけのホイールは決して作りません。レースサービスを通じて、プロレースで使用されるホイールには絶対の安全性と耐久性、剛性が求められるということを身をもって知っているわけです。だからどのグレードを選んでも、一番しっかりとしたホイールになります。事実パリ〜ルーベで私が乗っていたニュートラルカーに持ち込まれたホイールは、すべて他社のものばかりでした。パンクならいざ知らず、スポーク折れ、カーボンリム破損で交換されたものでした。
思い返せば、ホイールシステムをメーカーで作って売る「コンプリートホイール」というのもマヴィックが始めたものでした。いま世の中にどれだけのホイールメーカーがあるでしょう?中には本当にデッドコピーで値段だけの粗悪なものも多いですよね。「マヴィックに乗る」それは本当に正しい行為であると自信を持ってお伝え申し上げます。
さてさてレースは、こちらも当店のメインブランド「キャノンデール」に乗るLIQUIGAS CANNONDALEのイヴァン・バッソ選手が悲願の優勝を果たしました。4度目のチャレンジ、とうとうやってくれました!バッソファンの私もとても嬉しいです。またツールでも大活躍したペーター・サガン選手も、終始バッソをサポート。チーム一丸となって勝利する美しいカタチで幕を終えました。彼らの乗るスーパーシックスEVOハイモッドは、2年連続で「世界最高のバイク」の称号を得ている素晴らしいバイクです。(恥ずかしながら私も乗っていますが、とても軽く、とても安定していて、とてもコーナーも速く、とても上りも下りも速いスーパーバイクです)ホイールは当然、マヴィックのコスミックカーボンアルティメイト。最高のコンビネーションだと言えます。
レース後はキャノンデールジャパン社のご好意で、「優勝記念パーティー」にご招待いただき、楽しいひとときを過ごさせていただきました。選手達もとてもご機嫌で楽しいパーティーでした。キャノンデールジャパン社に感謝です。
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前日は宇都宮市内の目抜き通りでクリテリウム。大観衆の前をど迫力の走り!
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今回のニュートラルサービスは本場並みの2台のニュートラルマヴィックが用意されました。
スタート前には一台ずつ丁寧にワックスを駆けていきます。いつもピカピカの状態が保たれているのですね。
L1002653.JPGおびただしい数のスペアホイールとバイク。カンパニョーロ11S、シマノ、SRAMのすべてのコグセットを付けたホイールを用意しています。もちろんチームごとの使用機材も全て把握しており、例えば選手の逃げが発生すると、コミッセールからの指示でその後ろにつき、ビブナンバーを基にスペアホイールを選定して車内で用意して不測の事態に備えるのです。車内ではものすごいG(重力加速度)に耐えながらメカニシャンは常に緊張状態が続きます。
L1002703.jpgのサムネール画像ニュートラル・モト・マヴィックは、さらに機動性を求められます。細いコースやアップダウンの激しいところ、下りの多いところではオートよりも機動性に勝るモトが活躍する事も。さらにパッセンジャーのメカニシャンは、振り落とされないように踏ん
張りながら無線で状況報告をしたり、ホイールが不足したらオートから受け渡してもらったりと大変ハードに働きます。なによりモトだけに自身の転倒の危険性すらあります。

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この日はK10という軽量モデルが用意されました。キシリウムのリム体側面を削り、さらに軽量化を果たしたスペシャルモデルです。それにしてもおびただしい数です。
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古賀志林道は噂通りのハードなコースです。
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はげしくタイヤを鳴らしながら集団を追いかけていきます。上りでですよ!
またマヴィックカーに手を振ってくれる人もたくさんおられました。ヨーロッパでも同様で、ファンの間にもその存在が根付いていると感じました。
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頂上付近はものすごい人の数。選手一人分しか通れない状態です。ちょうど朝日を浴びて、道路上だけ1条の光が差し込んでおり、そこをマヴィックカーが通過する時は、マヴィックカーが人々に担がれて運ばれているような錯覚を覚えました。まるで失われたアークが信徒に担がれているようでした。
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レースはフィニッシュ。晴れがましいポディウムのすぐ裏で、人知れず手早く片付けに入るマヴィックスタッフ。あくまで黒子に徹する姿勢は清々しいものです。レースを下から支え、出る時は出て、後はさっと身を引く。かっこいいではありませんか。そんな姿を知っている根っからのファンの方は、しっかりとその姿をカメラに収めておられました。

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一日が終わり夕暮れ時が来て、ようやく彼らの仕事も終わりました。駅までの帰り道を移動していると、ジェリービーンズのメキシコ人選手が「Thank you! guys!ありがとう!」と言って声をかけて言ってくれました。本当に愛されている存在なのだと思いました。
さて、つぎはキャノンデールジャパンさんのご招待でラッキーにも参加させていただいた祝賀パーティーです。
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ジャパンカップのスペック、スーパーシックスEVOハイモッドにSRAMのRED。ホイールはマヴィックのコスミックカーボンアリティメイト。史上最強のスペックです。サガン(兄)のバイクです。
L1002841.JPG会場には歴代のチャンピオンジャージ達が美しく展示されていました。
サガンのマイヨー・ヴェールジャージもありました。
(私、以前ちょこっと乗ってしまいました)
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白戸太朗さんの楽しいMCで、トークありゲームありのにぎやかなパーティーでした。
参加者の大半は、選ばれた一般のキャノンデールユーザーの方で、お気に入りの選手のサインをもらったり、写真を撮ったりされていました。こうした触れ合いの時を、2時間に渡って用意するキャノンデールは本当の意味のファン思い、ユーザー思いのブランドだと思います。バイクだって、デッドコピーのバイクが大量発生していますよね。安易な方法で売るのではなく、こうしたファンサービスを通じて、確実にお客様の心に訴えかけていく、キャノンデールのポリシーを感じますね。
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バッソ優勝おめでとう!!

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最高に盛り上がったジャパンカップ。滋賀からは少し遠いですが、ぜひ一度行ってみてください!
                                     井上
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