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【レポート】東海道五十三次を自転車で走破!<最終日>

いよいよ江戸に着く日がきました。六日目です。高校生の頃からずっと走りたかった旧東海道。一気に走るという夢が本日叶います。

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今日は当店のお客様で平塚にお住まいの宇野さんが随行してくださります。

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街道の並木を切ってしまうのは惜しい。でも老木なので残せない・・・こんな形で残されたのでしょうね。素晴らしいと思います。

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<藤沢宿>川の渡しの寸前までルートを正確にトレースします。まっすぐ行けば数十秒の行程が国道を何度も横切るので十分近くかかったりするのです。

超スローな旅。それが旧街道ツーリングです。

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見附とは宿場の境界門の事です。各地に見附という地名が残っています。

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<戸塚宿>ご自宅の中に本陣跡の碑を建てておられるお宅。誇らしいことなのだと思います。

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ちょっとミスコースしたこの道。よく見ると丁寧に看板がかけられていました。こういう解説は本当にありがたいし興味深いです。

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この辺りは丘陵地で新興住宅地がたくさんあり、道路も開発されて碁盤の目になっています。古地図の道は消え去り、東海道はどこを走っているか不明・・・嗅覚を敏感にして調べながら走行。一本だけクネクネした道があり、たどって行くとやはり東海道!こういうときはホント嬉しい気分になります。しかしさすがに頂上付近で宅地の中に完全に消え去ってしまっていました・・・残念。古地図に近い道を辿って頂上を抜けると・・・歩道橋が・・・実はここも東海道の名残。むかしは写真の大通りは無く東海道が横に走っているだけでした。このような場所はたくさんあるのですがここは東海道のために歩道橋を造ってくれています。ありがたい!

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<保土ヶ谷宿>古い商店街がある宿場町の典型です。でもここは都心にも近いからかシャッター商店街ではなく活気があります。

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歩行者天国が現れ屋台や店舗がずらり。

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<神奈川宿>お知り合いのバイクショップ「サイクリー喜輪」の遠藤サンを訪問。街道沿いにあります。スポーツようかんをいただきました。ありがとうございます。現代の力餅です!!

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<川崎宿>ようやく現代的な都会の雑踏が出てきました。川崎宿は昔から大きな宿場町でした。江戸時代から宿場町は(とりわけ人口の多い街の近くでは)宿泊施設の機能に加え繁華街としての役割も担っていました。夜になると色を求めて近隣の若者がやってくるものだったそうです。旅人も故郷を離れ大いに羽を伸ばした事でしょう。東海道は川渡りが多く女性に敬遠されることが多かったようで、男性の旅人が圧倒的に多かったのも色街を増やす要因だったのだと思います。そうした繁華街は大きな宿場には幕府の許可を得て設置されていました。各地の都市に商店街や歓楽街の名残がたくさん残っていますね。(写真と文章は何の関係もありません)

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江戸に入ります!(当時はこの辺りは江戸ではありませんでした・・・実は)

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旧東海道の石碑があちこちで見られるようになります。ちょっと予想していませんでした。街道風情はビル街に消え去っているものと・・・

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最後の川渡りです

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日本橋、品川宿の看板が見えました!

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<品川宿>路面を土色のタイルで作り、活気のある商店街が続いています。宿場町の匂いはしっかりと残っています。品川と聞くといままで嫌という程ビジネスで訪れた場所。しかしそのすぐ近くに街道の色濃い場所が残っていたんですね。

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「三條大橋まだ遠い」・・・知ってます。遠かったです(笑)

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品川宿の品川寺(ほんせんじ)。
今と違い昔の旅は、病気、追い剥ぎ、盗賊、盗人など様々な要因で落命したり旅を辞めざるを得なかったりしました。そういった旅人が祈願した菩薩像です。また品川宿のあわれな飯盛女たちを弔ったそうです。
あと一宿で日本橋です!

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北品川を通ってしばらく行くと銀座の歩行者天国に入ります。

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FATタイヤに乗った旅人もおられました(本人ご了解済み)

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忙しく走る自動車の間を縫うように走ります。あと少しで旅が終わります。ようやく540キロ近くの旅が終わります。ついに夢叶います!

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そしてついに東海道五十三次を自転車で走破!日本の道の起点「日本橋」です。

東海道、中山道の起点に三条大橋からやってきたのです。

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うれしい限り!

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Facebookの実況をご覧いただいていた友人が駆けつけてくれました。フリーエディター/フォトグラファーの石川さん、写真&ハービー・山口氏つながりのお友達の今井さんです。まさか待ってていただいているなんて思ってもいませんでした。とても嬉しかったです!感涙!ありがとうございます!

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ちょっと照れながら記念撮影。嬉しいです!

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石川さん撮影の到着シーン。

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自転車を始めた頃からの夢が29年経ってようやく実現しました!!!

29年前、日本一周をキャンピング車でツーリングしている大学生に出会い、感化されて始めたサイクリング。高校生の私はとにかくサイクリングに取り憑かれていました。滋賀県のあちこちを走り回り、一枚の地図に走った道を赤ペンでなぞっていく毎日。赤く染まる地図が宝物でした。あるとき私の叔父の家に走りに行ったとき、家の前の看板に「旧東海道」の文字があるのが目に留まりました。東海道って五十三次のアレ?江戸時代のアレ?まだ存在しているの? 田舎の高校生で感受性が高かったのでしょう。旧東海道、旅という言葉にすっかり魅せられてしまいました。当時はネットもWikipediaも当然なく、図書館に行ってそれらの本を借りて読んでは想像を膨らませていました。「自分の足で昔の旅人気分で一気に走ったら楽しいだろうな」。いつかは自分の足で走ってみよう。密かにそんな誓いを立てたのでした。そのあとはトライアスロンをやったり他の自転車競技にいったりとさまざまな事に興味が向いて行きましたが、やはり私の自転車の原点はツーリング・サイクリング。原点中の原点が「東海道を走ってみたい!」だったのです。そして独立開業して12年。ようやく夢が叶いました。

とてもちっぽけな旅行ですが走破して充実感たっぷりです。距離も540キロほどでたいしたことはありません。距離だけ見れば通常の走行ペースなら2日半で行けます。(旧街道はその3倍はかかります)距離や速度、心拍数やケイデンス、レース、そういった速さや数値的なものではなく、スローでちょっぴり冒険心を満たしてくれる自転車の旅、東海道ツーリングはとりわけ特別なものだったわけです。

「道」にロマンを感じる方は一度旧街道を走ってみられる事をオススメいたします。世の中だんだん便利になって速く、遠くに行ける時代になりました。でもそんな中で自転車を選んだ方は、少しばかりそういった潮流に抗う気持ちもお持ちだと思います。だとしたら行ってみる価値はあります。

子供の頃に感じた「自転車でどこまでも行ってやろう」的な小さな冒険心を未だにお持ちの方はきっと気に入っていただけると思います。

いつもお世話になっているお客様、そして6日間放置してくれたスタッフ、旅に行く事を見逃してくれたメーカーの皆様(笑)、そして同行いただいたキャノンデールジャパンの岡村さん、宇野さん、お出迎えいただいた石川さん、今井さん、そしてFacebookで「いいね!」やコメントをくださったたくさんの方、本当にありがとうございました!

という訳で・・・

春には中山道走破を決心いたしました!!(笑)

・・・・真剣です。

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