STRADABICYCLES -ストラーダバイシクルズ-

ストア情報

【イチオシ!】SPECIALIZED S-Works Venge ViAS試乗レポート

こんにちは!
京都店メカニックのスタッフ熊谷です。

今回SPECIALIZEDの新型エアロロード、「S-Works VENGE ViAS」の講習会に参加してきましたので、ご報告させていただきます。
試乗のインプレについては、あくまで個人の主観ですので悪しからず…

まず、とっても簡単におさらいすると、このバイクに乗るだけで誰でも120秒速くなります。
そんなまさか…と、自分自身半信半疑で講習会へ。

IMG_20150904_091324.jpg

まずは組み立てに際する、技術的解説をしていただきました。
京都店の展示車は、これに出席する前に説明書を片手にあーでもないこーでもない言いながら組み立てた、まだまだ完成には遠い状態です 。

しかし今回講習を受けたことで、完成させる自信がつきました。
内容は基本的にメカニック向けの説明になるのでこの場では省いちゃいますが…
今回の講習ではしっかりと”コツ”を聞いてきたので、もうばっちりです!
ステムの中どうなってるの?なんて、インプレより技術的にご興味がおありの方もぜひ店頭へ。
今回の講習会には滋賀店・上野も参加しているので、京都が遠い方はぜひ滋賀店をお訪ねください。

IMG_20150904_110433.jpg

さて、前置きが長くなりましたが、試乗のインプレを。
結論から言うと…速い、軽い、快適と、見事に三拍子揃った新世代のバイクでした。

まずは速さから。
これはもう誰がどう見ても”速そう”なフォルムをしていますが、実際に”速い”。
試乗コースはほぼフラットの淀川河川敷でした。
風は、往路はきつい向かい風、復路は真逆の追い風と、エアロロードが得意とするステージ。
ちなみに現在乗っているのは、エアロを無視した…と言うのは失礼ですが、極めて純粋なオールラウンドバイクのTarmac SL4。

IMG_20150904_130727.jpg

走り始めてすぐ、向かい風の中で明らかにVengeの速さを体感しました。
今までのバイクではありえないぐらいに、軽く踏み込むだけでみるみる速度が上がります。
そして脚を止めた時、無風状態と錯覚してしまいそうなほどに速度が落ちない巡航性の高さ。
ガッチリと、レールの上に固定されたかのような直進安定性。
嫌いな向かい風でも、どんどん踏みたくなる加速性能。
“速そう”、ではなく、確かに今までのどのバイクより”速い”と認めざるを得ない仕上がり。

IMG_20150904_132543~2.jpg

また専用設計となったフロント22cのS-Works Turboタイヤ。
空気抵抗を極限まで減らすために細く設計されたタイヤですが、転がり抵抗は少なく非常にしなやかなタイヤに仕上がっています。
軽く、しかもグリップも優れている、まさにVengeにぴったりのタイヤだと思います。

そして何より、普段では感じられない、ヘルメットの抵抗感。
今回の試乗で装備したのは、エアロを謳わない、普通の軽量モデルです。
しかしそれが今回、頭部だけがバイクのスピードに同調しきれていないような、そんな印象をもちました。
普通のロードでは車体の空気抵抗が大きく、ヘルメットやその他装備品の抵抗をあまり感じませんでした。
しかしVengeに乗ると、バイクの空気抵抗が極限まで減少した結果、今まで気付かなかった装備品の抵抗が際立つ気がしました。
今回のVenge ViASの5minutsにはエアロヘルメットのS-Works EVADEも含まれています。EVADEだけで46秒短縮できるようですが、これも
また伊達ではないということを感じさせられました。

IMG_20150909_094624.jpg

そして軽さ。
ただ先に、1つ正直に言いましょう。
新型Venge、重いです。
もちろん、これはライドフィーリングではなく、車体をただ持ち上げた時の感想。
京都店で展示車を持たれた方は、同じ感想を抱いているはずです。
これで120秒の短縮は、いかに空気抵抗を減らしても出来ないだろうと思っていましたが…。

走り出すと同時に、憎いほどあっさりと裏切られる、極めて軽快な走り。
トップチューブを跨ぎ、右脚をペダルに固定し、踏み込んだその瞬間から60mm超のディープホイールを履いたエアロロードという認識はど
こかに消えました。
現状世界最強と言っても過言ではないであろう、オールラウンドモデルのNEW Tarmacにさえ勝るのではないかと思わせる、軽快な走り。
そして高いBB剛性からくる、スプリンターにはもってこいの反応性の良さ。
ダンシングで踏み込めば、爆発的な加速で一気にトップスピードへ。

IMG_3622.jpg

エアロロードは正直な所、平地をただ速く走ることしか出来ないと思っていましたが、この認識は古いのだと、痛感しました。
ダンシング、コーナリング、高速巡航。
そして今回は体験出来なかったものの、恐らくヒルクライムでも。
間違いなく、エアロロードの枠を打ち破る走りを感じます。

そしてハンドリングも軽い。
フォークだけを持ち上げる機会があったのですが、ハンドリングはまったく期待できない重みを感じていました。
しかし、大径ベアリングとフォーク自身の剛性の高さにより、非常に扱いやすいものになっています。

roval製のカーボンホイールと相まって、重いはずのVengeがいとも簡単に加速していく。
数値だけでない、目に見えない軽さが120秒を作り出しているようです。

IMG_20150904_140240.jpg

そして、最後にして最大の特徴。
エアロロードの弱点でもある、垂直方向の快適性。
これについては驚きを隠せないものに仕上がっています。

いかにメカニックとして未熟な自分でも、やはりバイクを1度バラし、フレームの構造をしっかりと確認し、組み立てれば、多少ですがバイクの特性は見えます。
Vengeに関して言えば、扁平シートチューブにボリュームのあるBB周り。

IMG_20150904_133335.jpg

そしてシートチューブ中ほどに設けられた、専用ブレーキ。
ブレーキはキャリパー本体だけでなく、取り付けられるフレーム側にも高い剛性を必要とします。
それが高い制動力を生み出すうえで必要とされる、ファクターの1つとなるわけです。
そのブレーキを快適性に大きく関わるシートチューブの中心に設ける。

これ以外にもたくさんの細かい要素が重なり、垂直方向の快適性は先代Vengeと同じか、それ以下ではないかと推測したのですが。

その推測もまた、あっさりと裏切られ、メカニックとしての自信がちょっと減ったわけです(笑)

引っ張るだけ引っ張って、簡潔に答えます。
間違いなく先代Vengeよりかなり向上しています。
それこそ、下手をすればライダーファーストエンジニアリングを最初に採用した、現行のTarmacを超えるのではないかと思わせる快適性。

もちろんフレーム単体だけではなく、rovalのホイール、S-Works Turboタイヤ。
これら個々の能力を最大限に引き出し、加速性能を削がない高い剛性を確保した上で成り立つ、絶妙なバランス。

IMG_20150904_132106.jpg

総工費30億円をかけ造られた風洞実験室、WIN-TUNNELをフル活用し、スペシャライズド本社の技術スタッフが総動員された、まさに最先端技術の結晶が、Venge ViASとして誕生したわけです。
そのバイクが悪いわけがない、最初は半信半疑だったものの、乗って確信へと変わりました。

IMG_20150904_143033~2.jpg

そしてここからは余談ですが…。
TarmacとVengeに採用されているライダーファーストエンジニアリング。
いい機会だと思い、自身適正サイズの54と、あろうことか設定上最小となる49を乗り比べました(笑)
今までのバイクでは、基本的に56サイズが基準になり、小さくなればなるほどフレームが硬くなっていく、というのが普通でした。
もちろんフレーム自体が実際に硬くなっていくのですが、それに加えライダー自身も身長の違いにより、体重が減少していく。
このため大柄な人と小柄な人では乗り味が大きく違いました。

これを全サイズ同等に仕上げたのがライダーファーストエンジニアリングなのです。

これにより190cm以上の人と、170cm以下の人でも同じ乗り味、フレーム設計者が理想とする状態を全サイズに適用したのです。

IMG_3625.jpg

ポジションがまったく違うので、同じ条件、とはいえませんが、確かに同じフィーリングでした。
体重が54kgの自分では54の想定体重には及ばず、49の想定体重プラスαぐらいなのですが、54が硬すぎず、49が柔らかすぎずという感じで 、おそらくポジションがピッタリあわせてあれば、乗り心地だけではサイズの違いが分からないと思います。
もちろんステム長などの違いによりハンドルを切ればすぐにわかるのでしょうが、これにはすごく感心しました。

というわけで長くなりましたが、今回の試乗で分かったのはこんな感じです。
しかし自分の語彙と、このページではまだまだお伝えしきれない点がたくさんあります。
そこはもう、あなた自身に乗っていただくのが1番だと思います。
現在スペシャライズドでは、全国で試乗会を開催しています。
さらにストラーダでは、既にVenge ViASにお乗りの竹谷賢二氏を招いたTEST the BEST inストラーダの開催が決定しました!
と、いうわけで!
みなさんぜひ実際に乗りにきて、新世代のエアロロードをその身で感じてください!!

IMG_20150904_145140.jpg

長くなりましたが、ご拝読ありがとうございました!
もっと詳しく知りたい!という方はぜひ店頭でお会いしましょう!

LINEで送る
メールで送る