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京都店:DOGMA F8の系譜。PINARELLO GANシリーズ、比較インプレッション!

イタリアンブランドの中でも随一の開発力を持つ、言わずと知れたイタリアの名門「PINARELLO」

当店ではピナレロ試乗会を12月に開催しましたが、スタッフもこの機会に全車種をシッカリ試乗しました!DOGMA F8 & K8-Sのインプレはコチラ

今回は、昨年のモデルチェンジ以降チームスカイに使用され、数々のタイトルを欲しいままにする「DOGMA F8(以下F8)」の流れを汲んだレーシングモデル「GAN」シリーズ3モデルを、販売店の目線から比較インプレッション!

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「GAN」シリーズは、遠目にはF8との違いは分からないほど、フレーム形状が類似しています。ジャガーとの共同開発で生まれた「フラットバック」形状の各チューブやシートポスト、内蔵式のシートクランプなどが、ほぼそのまま採用されています。つまり、F8同様、前年までのモデルに対し大幅なエアロダイナミクスの向上全体バランスの最適化がなされています。

近代的な開発手法を取り入れ大幅に基本性能を向上させたこの「GAN」シリーズには、「GAN」「GAN S」「GAN RS」の3つのグレードが用意されています。形状は全て共通で、使用するカーボンのグレード変更のみとなっています。この違いがどのように性能に表れているのか?早速インプレッションに移ります。

【GAN】  ※参考価格 351,000円(105完成車・税込)

シリーズ中、最もお手頃価格の「GAN」。メイン素材は高強度系のT600です。シリーズに共通して言えることですが、内装ケーブルルーティングやシートクランプの設計など細部の造りは一切破綻がなく、BBも整備性、信頼性の高いスレッド式BBを採用。塗装のクオリティも目を見張るものがあります。なので、価格以上に所有する満足度が非常に高い一台です。

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さて、乗った感想はというと、一言で言うなら「ビギナーから中級者までが気持ちよく乗れる優しい乗り味」でした。シリーズ中、最も快適性が高く誰もが踏みやすい。しなりを十分に感じ、ややしっとりめの踏み心地。やや寝気味のヘッドアングル、シートアングルにより、直進安定性が高いので、ロングライドでもハンドリングに気を遣わずに済みそうです。

中速域からの高速域までの加速、または30km/h前後での速度維持が容易で、ここはF8と共通したエアロダイナミクスの恩恵が強く感じられました。非常に伸びやかで巡航性能はピカイチです。

しかし、あえて言うなら発進加速は少しだけモタつく印象を受けました。純正ホイール・タイヤが大きな要因と思われるので、ここは是非とも交換してあげたい部分です。剛性が高めのホイールに交換するだけで水を得た魚のように、あらゆる速度域において素晴らしい加速性能を体感できるでしょう。

【GAN S】 ※参考価格 394,200円(105完成車・税込)

ミドルグレードにあたる「GAN S」。メインとなるカーボンは高強度系の「T700」。それ以外はGANとほぼ共通ですが、マット塗装にグロスカラー&メタリックカラーが入り、高級感がさらにグッと増します。

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乗り味は「GAN」に比べパリッと硬く、明らかに反応性が向上します。マッタリのロングライドも良いですが、より高いレベルの「速さ」を求める方にオススメしたいバイク ですね。GANよりたわみが減り、よりリニアに加速するためゼロ発進も良好です。こちらも、ホイール剛性が高めのものの方が合うような気がしました。

快適性は「GAN」より少し劣りますが、これだけキレが良くなるのであれば、すごく魅力的に思えます。2台目のバイクをお探しの方、レースを主体とする方に是非オススメ致します。

【GAN RS】  考価格 604,800円(アルテグラ完成車・税込)

価格はフレームセットで約50万円、他社のハイエンドモデル並みの価格となる本バイク。メイン素材は高強度系のT900です。ペイントは高級感抜群で、遠目でのF8との区別がさらにつきにくくなっています。

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性能面では、「GAN」「GAN S」の時よりもさらにパリッと硬く軽く大幅に反応性が向上しました。F8に近いとも言える乾いた踏み心地で、硬いレースバイクが好みの方にはかなりウケが良さそうです。

レースバイクらしい乾いたフィーリングの反面、快適性は「GAN S」より少し劣る印象。硬いホイールを合わせる場合には、それなりの脚力が要求されそうです。剛性が高すぎないカーボンホイールなどと相性が良さそうでした。

他の2台に比べ、乗り味は格段にF8に近づいています。T900という、他社ではハイエンドモデルに採用されるほどの超高強度カーボンを使用しているため、「GAN RS」がハイエンドモデルだと言われても全く不思議ではありません

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 高級車に相応しい高性能とスタイリング。レース向きなフレームですが、見た目も性能も妥協しないという方にオススメです!

以上、3シリーズの比較インプレッションでした!

まとめると、「GAN」「GAN S」「GAN RS」グレードが上がるにつれパリッと走るバイクになるので、レースに向いた味付けになります。逆に「GAN」の方は快適性が高く、疲労が溜まりにくい剛性感なのでロングライドも気持ちよく走れると思います。

そして、スタッフ田中が個人的に気に入ったのは、ミドルグレードの「GAN S」でした!「GAN」との価格差は約4万円ですが、反応性がグン!と上がります!尚且つ快適性もほどほどに確保されているため乗っていて気持ちが良く、価格に対する性能バランスが非常に優れていると感じました。十分レースでも通用し、ロングライドも対応できるオールラウンドなバイクですよ!

では、最後に高いと思われがちなピナレロの価格について。例えば「GAN」は105完成車で「351,000円」という価格設定で、他社に比べて確かに安くはありません。しかし、その細部や開発の背景に目を向けると、決して割高なバイクではないと感じます。理由は大きく3つ。

一つ目は、サイズ展開が非常に豊富で、妥協なくサイズを選択できること。(多くのメーカーはハイエンドモデルですら4~6サイズの展開、GANシリーズはその倍の11ものサイズを展開、F8は12サイズ)。金型製作には非常にコストがかかるため、サイズ展開を多くするにはそれだけで莫大なコストが掛かります。ジオメトリーへのこだわりが非常に強く、ライダー一人ひとりに最適なサイズを選んで欲しいという実直なモノづくりの姿勢、自転車への情熱が垣間見えます。

二つ目には、その見た目の美しさと細部の仕上げ。遠目にはF8と見紛う程高級感に溢れ、所有欲を大いに満たすこと間違いナシです。無理なく組み付けられる内装ケーブルルーティングや内蔵式シートクランプ、表面を格子状カーボン(12K、3K)で美しく仕上げられたフレーム、シートポスト。台湾の工場内にもピナレロだけを製造する区画があり、徹底したクオリティコントロールが行われています。

三つ目には、やはりその性能。「ハイエンドモデルは良いけど、エントリーグレードはあんまり・・・」というメーカーが多く存在しますが、少なくともピナレロはエントリーモデルすらハイエンドモデルの設計を踏襲しています。高水準のエアロダイナミクス、各部の剛性バランスやジオメトリー。どれをとってもF8のDNAを色濃く受け継いだ、本物のレースバイクです。

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安くはないのは事実・・・ですが、上記のことを踏まえると決して価格が高いとは私は感じません。最新技術をふんだんに詰め込んだ「GAN」シリーズ、オススメですよ!

以上、熱が入りすぎて非常に長くなってしまいましたが、スタッフ田中のGANシリーズ比較インプレッションでした!

今なら店頭にて実車をご確認頂けますので、気になる方はぜひ一度、店頭にてチェックしてくださいね!

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