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トレーニングレース注目のレポート

【準備編】SDA王滝 2019 – グラベル 42kmの部 – スタッフ山本 優勝![スタッフ山本レポート]

オフロードエンデュランスレースのアイコンとも言える「セルフディスカバリーアドベンチャー・イン・王滝(SDA王滝)」
そんなSDA王滝に新しく生まれた「グラベルロードの部」で、当店スタッフの山本が初挑戦で優勝しました!

今回はSDA王滝に向けた準備期間について、その詳細をレポート致します。
とにかくロングライドが苦手な山本がエンデュランスレースの王滝に向けて取り組んだこととは?レースを真剣に向き合う人なら、少なからず共感いただける事があると思います。


「セルフディスカバリーアドベンチャー・イン・王滝」
オフロードレースの中でも長距離を走るエンデュランス系のレースとしては、日本のレースシーンにおけるパイオニアであり、アイコン・シンボルとも言えるレース。

ご存じの方も居られるかもしれませんが、私、山本はもともとMTBのXC(クロスカントリー)競技を真剣に取り組んでいた頃がありまして・・・この競技の特性が「短時間&高強度」なんです。そんな競技に熱中するがあまり、トレーニングの結果、”1時間ちょっとで電池が切れる”という非常に長距離に向かない身体になってしまいました。
そんな長距離が苦手な自分が、長距離レースであるSDA王滝に挑戦するなんて事は全くと言って良いほど意識していなかったのですが・・・どうやら今回、「グラベルロードの部」が新設されるとの事。

おっと・・・そう言えば2020年モデルのTOPSTONE CARBONもなぜか購入する流れになっちゃっているし・・・これは参加してみるのも面白いかもしれない、と思い立ったのがだいたい6月くらい。そこから、このレースを”狙う”為の身体づくりがはじまりました。

ただいま、私、齢44歳。
本気で競技に取り組んでいた時と比べると体力レベルはもちろん、回復力もメンタルもあらゆる面で競技レベルでは無くなってきています。
そんな自分にあるのは経験値のみ。今までに培ったトレーニングやレースに向けたピーキング、テーパリングのノウハウを最大限に活用して、3か月後のレースをターゲットに積み重ねていきます。

まずはベースづくり。
「トレーニングの結果は3か月後に出る」という経験則から、まずはじっくりと乗り込みを行います。
この時に助かったのがSYSTEMSIXの存在。以前のブログでも記載していました「100km病」と言うのは、すべて、この王滝に向けたものだったのです。

今回、出場するのは42kmの部。「ええ?100kmじゃないの?」という声も聞こえてきそうですが、前述の通り、私、SDA王滝の出場は全くの初めて。今までエントリーした事はあるのですが、雨天でDNSという超チキンぷりを見せつけた事もあったのです。
MTBならいざ知らず、流石に未知数のグラベルロードでいきなり未経験の100kmは危険だと判断し、42kmの部にエントリー(公式サイトでも初めての人は42kmからと書いてありましたので!)

で、この42kmという距離と時間を考えると、トレーニングボリュームはその倍。つまり約100kmが適量だと判断したのです。それから2か月間ほどは、とにかくひたすら100kmを繰り返し乗り込み、ベースの作成。この期間は心拍的に追い込まず、いわゆる「高燃費」の身体を目指すため、敢えて補給も取らないなどで身体をいじめました(あんまりオススメしません。あしからず!)

そしてレースの約1か月前。ちょうど、TOPSTONEが納車されたタイミングから、バイクと身体をシンクロさせるべく、オフロードでのレースを想定した高負荷のトレーニングに移行します。

今回、難しかったのは、とにかくSDA王滝に対する経験値が無いということ。
どれくらいのペースでどれくらいの補給を取れば、どれくらいの場所でタレるのか?を毎回チェックすべく、約5kmのオフロードの上りを上って下っての繰り返し。完全なる修行であり、レースというモチベーションが無ければ続けられない”苦行”なんですが、これをやっておくのと、やらないのでは、本番時の心構えが全く異なります。

毎回、本番を想定した装備で挑み、オフロード独特の身体の使い方、グラベル独自の走り方、そして王滝独自の距離感を身体に染み込ませ、理解させていきます。

そして、今回、新たに導入したのがスマートコーチングのメソッド。
オフロードのライドでは、下半身だけで単純にペダルを回すだけでは絶対にバイクは進みません。いかに上半身をうまく使い、バイクにリンクさせるのかが重要なんです。
今までは感覚で捉えていた「上半身とバイクのリンク」がビシッとハマったのがスマートコーチングでした。
始業前からコソコソとお店のトレーニング機器を使い、上半身のトレーニングを重点的に。これが、オフロードでバイクを進める力に確実に影響したと思います。

スタッフ本人がこう書くと宣伝っぽく見えますが・・・まあ、宣伝という側面もあります(笑)が、確実に自らの身体で成果を感じたのが、スマートコーチングの威力です。レース中に「やっといて良かった!」と実感したのも事実です。

閑話休題。さて、こうやって約1ヶ月でグラベルロードでのオフロードライドを身体に浸透させたところで、テーパリングに入ります。

ちょうどSDA王滝の2週間前に赤穂トライアスロンに参加する事ができたので、身体的なテーパリングはこのレースで完了。トライアスロンというあらゆる身体を使う競技のおかげで効率的に身体への負荷をかけることができた事、それと意外なほどバイクパートのタイムが良かった事で、トレーニングの成果を改めて自信に替えることができたのが大きかったと思います。

さぁ、ここからは情報戦。インターネットであらゆる情報が入手できるこの時代。過去のレースリザルトから想定されるゴールタイム、ラップタイムを計算し、そのための補給タイミングなどをまとめます。

YOUTUBEを見ればレースの模様がアップされており、これでイメージトレーニングをしながら、レース展開を練り上げていきます。昔のように体力の回復力もありませんので、レース前1週間はひたすら身体のメンテナンス。

長年の酷使によりボロボロになっている腰は、昔からの友人、やまちゃんの「やまだ鍼灸整骨院」でしっかりとメンテナンスしてもらいます。やまちゃん自体がアスリートなので、競技の事も競技者の事もすぐに理解してもらえるのが一番大きい!懸念だった腰痛もすっきりと改善しました。

すべては、「レースのスタート位置に100%の自分で立って、すべてを解き放てる」ように。

体力、知力、そして精神力まであらゆる面を考えて考えて考えて、そして狙う。この道程がレースの醍醐味だと再確認した、SDA王滝への準備期間でした。さぁ、いよいよレースです!!

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