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スタッフタイムレポート

第11回全日本最速店長選手権~機材編~[スタッフ田中]

こんにちは、スタッフ田中です。

第11回全日本最速店長選手権

4/17(日)に行われたサイクルスポーツ様の名物企画「アミノバイタルプレゼンツ第11回全日本最速店長選手権」に、ストラーダバイシクルズ彦根店・店長として、初出場してきました。

たくさんの応援、本当にありがとうございました!サイクルスポーツ様のYOUTUBEライブ配信にコメントされた方も、SNSでコメントされた方も、バッチリ後から見ましたよ~(笑)

今回は全国津々浦々の有力店長が28名出場。例年よりやや少ないですが、サイクルショップとしては繁忙期ですので、致し方ありません。(そんな中でレースに出られるのはとてもありがたいことで、他スタッフやお客様にも大変感謝しております。)

かなり長くなるので、「レースレポート編」、「機材編」、「トレーニング編」と、3部構成でお送りします。

機材編も4,000字オーバーになってしまいました(笑) なお、画像はクリックで拡大可能です。


では、第2弾はこだわりの「機材編」です。

まずは使用機材一覧から。

フレーム:FACTOR OSTRO VAM 52 Flicker

ホイール:CADEX 65 DISC TUBELESS

タイヤ:CADEX RACE 23c(フロント)/25c(リア) 、Muc-Offシーラント20mlずつ

コンポーネント:SHIMANO R9170シリーズ

クランク:4iiii R9100 53/39T 左右計測

スプロケット:R9100 11-28T

プーリー:Ceramic Speed OSPW R9100 Coated

チェーン:PYC DLCコーティング(SP1101)

チェーンオイル:Muc-Off LUDICROUS AF

BB・ヘッドセット:Ceramic Speed(FACTOR純正)

ハンドル:Blackinc 一体型バーステム 380mm-120mm(FACTOR 純正)

サドル:CADEX Boost

バーテープ:Guee SL Geo

ブレーキローター、パッド:Galfer (160mm/140mm)

ペダル:SHIMANO PD-R9100

サイコン・スピードセンサー:Garmin EDGE 530、GARMIN

ボトルケージ:ELITE Leggero、KCNC軽量アルミボルト

ボトル:Camelbak ポディウム

その他:ダイレクトマウントディレイラーハンガー、サテライトスイッチ SW-R9150、Alpitudeチェーンキャッチャーなど

総重量 7.10kg


バイクとパーツチョイスのテーマは「アップダウンのある周回コースでの独走に於ける、最高の効率

周回コースでの独走に於ける最優先事項は、何を置いてもまず「空力」でしょう。上り坂が余程の急勾配でない限り、それなりのパワーウェイトレシオであれば

下りと平地で稼げる時間 >上りで遅れる時間

となります。

もちろん、上り坂を勝負どころと考えたり、上り坂が苦手なら軽量なホイールを選ぶのも頷けます。実際に周囲の店長さん方は8割以上50mm以下のホイールを選ばれていました。40mm以下のホイールもかなり多かった印象です。

ただ、スプリントが苦手な自分にとっては「長距離の独走」こそが優勝するための最善策。そのため、とにかくエアロで優位に立つこと、上りでも不利にはならない程度に軽いことを重視して機材を選び抜きました。一部インプレを交えてご紹介します。


まずフレームは、自分が考える、最も無駄のないフレーム構造を持つ780gの超軽量エアロロード「FACTOR OSTRO VAM」

FACTOR OSTRO VAM

このフレームを簡単に説明すると、「レースに必要な要素の全てを、一切の無駄なく詰め込んだバイク」と言えるでしょう。Flickerカラーは、購入時最軽量のペイント。サイズは52です。

ベアリングの重量増なく必要十分なヘッド剛性を確保し、前方投影面積も少ない上側 1-1/8、下側1-3/8のテーパーヘッド。ワイヤールーティングは、ハンドルから一切ケーブルが露出しない本当の完全内装。

加えて空力に特に影響するフロントフォークはかなりの前後幅があり、ダウンチューブとの接点もかなり深いのでフレームのフロントセクションの空力は最上級だと思われます。以前にブログでも書きましたが、ヘッド周辺の構造とルックスは、これ以上美しいバイクを知りません。

逆にリアセクションは軽量化快適性を考慮。一度左右に広がってから後方に伸びる、ウイング形状を採用した極細ながらちゃんとカムテール形状のシートステーは機能美の結晶。

かなりボリューミーなBB周りですが、長時間でも踏み続けられる絶妙な剛性で、淡々とハイパワーを刻むシーンでは特に有効に作用します。過不足のない剛性という意味でも、自分にとって無駄のない相性の良いバイクと言えますね。

画像の状態で7.10kgですが、組み合わせるホイールとタイヤ次第では、ペダル・サイコン・ボトルケージ込6.5kgを実現します。


そしてホイールは、自分が知る中で理論上最も「速い」設計を採用している「CADEX 65 DISC TUBELESS」

リムハイト 65mm/内幅22.4mmの超ディープ&超ワイドリムで、ペア重量1,501g。この情報だけでもすごいホイールですが、これだけではこのホイールの良さは語れません。

 

リムとタイヤの境目に注目!

まず、フックレスリムであること。フックレスリムは、タイヤを理想的な形状に保ち、リムとタイヤ間の段差を限りなくゼロに近づけられます。さらに自分のこだわりとしては、特に空力に影響を与える前輪で、ホイールの外幅26mmをギリギリ超えないよう、前輪をCADEX RACE 23c(実測25.8mm)としていること。

空力的には理想的なタイヤ・ホイールのセットアップを実現していると思います。なお後輪の役割は前輪と異なり、転がり、グリップ、パワー伝達、快適性のメリットが上回るので25c(実測27.8mm)を使用。

太いタイヤのメリットは多いですが、それでも前輪に限っては空力、ハンドリング、軽量化のメリットが上回るというのが、私の経験からの持論です。

内幅22.4mmという特大のリム幅はタイヤの形状変化によるロスを抑え、タイヤのあらゆる性能を最大限発揮します。先述した通り、タイヤ幅の実測値は表記サイズより2.8mmずつ(CADEX RACEの場合)ワイドになりますので、ワンサイズ上のタイヤで得られる数々のメリットを、重量増なしで享受できるということになります。ワイドリムであるほど空気圧を下げても抵抗が増えませんので、思い切って空気圧は前後5Barで出走しました。

ウェットな路面でもグリップに一切の不安なく走ることが出来たのは、CADEX RACEのタイヤ性能と、空気圧を下げても転がり抵抗が増えにくい分しっかり空気圧を落とせた、チューブレスシステムおよびリム幅のおかげだと思います。

そしてリムだけでなく、スポークスポークパターンもCADEXホイールの特筆すべき点。DBL(ダイナミックバランスドレーシング)で組まれたエアロカーボンスポークは、他とは一線を画す異質な乗り心地。ダイレクトな掛かりと巡航時のマイルドさの両立はとにかく異次元で、長時間の高速巡航と、瞬発力を最高水準で両立しています。

専用設計のハブはDLCコーティングを施した30Tスターラチェットを採用。構造はDT SWISSのEXPシステムと同様ですが、内部を独自の高精度切削でベアリングへの負荷を排除し、回転抵抗を極限まで低減しています。レースレポート編で記述した、「脚を止めても前に出る」ことが多かった要因の一つでしょう。

とはいえ、こんなすごいホイールにも一つだけ弱点があり、強風の中での安定性はさほど高くありません。強風に煽られた際はコントロールに気を取られてしまうと思います。65mmハイトゆえの弱点ですが、周回コースでの「速さ」だけを追求した場合、やはりこのホイールが最善と判断しました。(当日、風がなくて良かったです)


その他は細かい抵抗減の積み重ね。

駆動抵抗の低減に欠かせない最高品質のCeramic Speedのビッグプーリー&BB。軽量で低抵抗なDLCコーティングのPYCチェーン。ちょっと前に世界最速を更新したMuc-Offの最新オイル。

130g台と軽量なのに、お尻が痛くなるのを想像できないほど快適なCADEX Boostサドル。

SHIMANOのハイエンドディスクローター&パッドよりトータルで50g以上軽量ながら制動力に不安のないGalferのローターとパッド。

変速性能を向上し、わずかに軽量化もできるダイレクトマウントRDハンガー。

オシャレで丈夫で軽量、フチの段差もないDEITYのヘッドキャップ(ボルトはCarbon Ti)

Gueeバーテープは握り心地も見た目もお気に入り。

15gなのに丈夫で出し入れもしやすい、ELITEの軽量ボトルケージLeggeroは、1個だけ使用。ボルトはKCNC。ドリンクボトルはELITEなどのスリムなボトルを使用することも考えましたが、自動開閉キャップで使い心地にも容量にも不安がない、Camelbakにしました。

安全で快適で、何より「速い」機材で臨みました。軽量化することでデメリットが生じるパーツは使用せず、逆にデメリットなく軽量化できるパーツはトコトン投入していますリスクを取ったパーツはありませんので、その上でトータル7.10kgという重量は65mmホイールを装備したディスクブレーキのエアロロードとしてはかなり軽量かと思います。

ここまでやって勝てないのは・・・やはりエンジンのせいでしょう(泣)

レース中の立ち回りも雑すぎました!(笑)

思い返すと悔しいですね~。


服装

ジャージ:BIORACER製チームジャージ STRADA DIVISION R(ほんとはSサイズが欲しい・・・)

シューズ:GIRO PROLIGHT TECHRACE、赤クリート (Textreme採用のソールで150g。軽い!)

ヘルメット:MET TRENTA 3K  (軽くて通気性抜群でこう見えてめっちゃエアロ!)

アイウェア:OAKLEY SUTRO LITE/PRIZM 24Kレンズ (ずれにくい、カッコいい、視界良好!)

ソックス:SILCA AERO SOCKS (普通のソックスより4w~8w速いらしい)

インナー:CRAFT 夏用(着た方が暑さにも寒さにも適応できる)

アームカバー:GIANT UVアームクーラー(同上)

グローブ&ニーウォーマー:Castelli(動きを妨げない)

装備品は、なるべくエアロかつ軽量で快適なものを妥協なく選びました。特にソックスは空力を優先するか、少しでもパワーが出せることを優先するかレース直前まで悩みましたね。最終的に空力を重視し、その他は気温に応じて必要な物を足した感じです。集中して走れたので、選択は間違ってはいなかったでしょう。

それでも勝てなかったのは・・・(以下略)


こんな感じで、機材編は以上!

トレーニング編は後日更新予定。お楽しみに!

レースレポート編

 

この記事を書いたスタッフ

HIROKI TANAKA
彦根店 店長 田中 宏樹
明るく朗らかな性格で常に元気に仕事をしているフロアスタッフ。
各メーカーのジオメトリーやサイズ、規格などに精通しており、それを諳んじるぐらいに記憶している。
元陸上部だったこともあり、高い心肺機能を有していることから、ヒルクライムのホビーレースで上位に食い込む実力がある。
とにかく時間があれば自転車に乗っている自称・他称「自転車バカ」。
イベントでは初めての方が安心して乗り出すための「デビューライド」や「モーニングライド」、
また平日休日問わずに行われる「トレーニングライド」など多岐にわたる。
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