走行距離はイマイチですが、ローラーを中心に自分のペースでボチボチトレーニングしているスタッフ田中です。
ブログの更新、滞っておりスミマセン・・・ちゃんと元気にしてます!
現時点の走行距離は、今から頑張れば年間10,000kmはギリギリ届くかも・・・な約4,000km。仕事に支障のない程度に頑張りますよ〜!笑
さて、一部のお客様やSTRAVA上では公言してましたが、昨年末より予約していた私のニューバイクが、ついに!ついに完成しました!
風を切るように平地を駆け抜け、羽が舞うように軽やかに山岳を上り、石畳をも走破する快適性を持つ・・・そんな夢のような一台を、インプレッションを交えつつ紹介します。
その名は、「FACTOR OSTRO VAM」
FACTOR(ファクター)はイギリスのブランド。クリス・フルームやアンドレ・グライペルらが所属する、ワールドツアーチームの「イスラエルスタートアップネイション(ISN)」や日本の「チーム右京 相模原」にも機材を供給する、レーシングバイク専業ブランドです。
昨年9月に発表された「OSTRO VAM(オストロヴァム)」は、塗装済で780gというヒルクライムバイク顔負けのフレーム重量と、ピュアエアロロードのエアロダイナミクス、エンデュランスロード並みの快適性を備える、「全て」を一台で完璧にこなすことを目指したバイクです。
フォーク周り、ダウンチューブのボリューム感は、まさにエアロロード。「CANNONDALE SYSTEMSIX」で感じた、前方に吸い込まれるほどの圧倒的なスピードにはわずかに及びませんが、少しのしなりを伴って軽やかに素直に加速して行きます。所有したことのあるバイクの中ではダントツで速いです。
トレイル値57mmなので、キレキレなハンドリングを想像していましたが、フォークのエアロダイナミクスのおかげか直進安定性も抜群でした。ダウンヒルやコーナリングも全く問題なし。安定感とキレが同居した絶妙なバランスです。
ちなみにフォークの切れ角に制限はなく、リムブレーキのバイク以上にハンドルが切れます(笑)つまり、輪行も問題ないです。
ボリュームある前三角に対し、リア三角はかなりコンパクト。シートステーに至っては極細で、軽さも考慮しつつ振動吸収を狙っているのが見て取れます。
適正気圧にタイヤをセットした場合の快適性も、所有した中では最高レベル!流石に「TREK MADONE SLR」のような飛び抜けた振動吸収性とまでは言いませんが、レースバイクとしては確実にトップクラスです。
かなりボリューミーなBB周りは独自のT47規格を採用。これほどまで“ BBの設計” にまでこだわったバイクを私は知りません!(詳しくはこ ち ら)
大口径BBにより剛性を損なわず軽量、多くのクランクに互換性があり、そして素晴らしい整備性を実現しています。実際にフレーム側の配線はあっけない程スムーズに組めてしまいました。ちなみに電動変速専用フレームとなっております。BBは一切妥協のないCeramicSpeedが標準で付属します。
ハンドルは、パートナーブランドであるBLACKINCの一体型バーステムが付属。完全内装で320gと軽量、しかも20ものサイズから選択が可能です。多くのメーカーではサイズ選択が出来ず後から買い直しが必要であったり、サイズのラインナップが限られているものがほとんど。私の場合はハンドル幅380mm-ステム長120mmの組み合わせが選べることも、決め手の一つでした。
ヘッドセット、ハンドルの見た目は、このバイクで一番のお気に入りポイント!コーンスペーサーがトップチューブと一体となり、最高にクリーンなルックスを実現しています。
ヘッドベアリングは、またもやCeramicSpeed製。BB然り、ハンドルや周辺パーツ然り、他メーカーでは見たことがないぐらい贅沢なフレームセットです。セラミックベアリングは、一般的なスチールベアリングよりも軽いので、ここでも軽量化に貢献しています。
ヘッドチューブは上側1-1/8インチ、下側1-3/8インチのテーパーヘッド。完全内装のバイクでは上下1.5インチのメーカーが大多数ですが、OSTROは上側もスマートで前方投影面積を縮小することに貢献し、重量増もありません。そしてこのハンドル、ほどほどのエアロ感と必要十分な剛性、エルゴノミックな形状でどの位置でも抜群に握りやすいです。ロングライド、ヒルクライムに必須のサテライトスイッチもうまい具合に取り付けできました!
ハンドル周りはライド中、常に目に入るところ。スッキリしていて美しく、目線を落とす度テンションが上がります!フレームカラーに合わせたguee(グイー)のバーテープは軽量でグリップもクッション性も良くお気に入りです。
シートポストのオフセットもちゃんと選択出来ます。私はオフセットあり(25mm)を選択。金属レール、カーボンレールに対応するアダプターも付属します。
カラーは最も軽量な「Flicker」を選択。カーボンシートが透けたままの軽量化重視の塗装は高級感抜群。フレーム内側には、自転車界ではごく一部のブランドしか使用が許されないTeXtreme®︎カーボンを使用(BB内部から確認出来ます)しています。FACTOR曰く、内側に使用してこそ生きる素材とのこと。これらが780gという重量に貢献しているのでしょう。
スピード感溢れるロゴデザイン。フォーク、チェーンステー内側も同様の模様が入ります。また、ダウンチューブ後端は凹型になっており、ボトル取り付け時の空力を追求しています。
トップチューブ上面も凹型になっています。経験上、こういう軽量バイクのトップチューブは極薄かと思っていたのですが、押してもペコペコしません。安心感があります。
コンポーネントは SHIMANO DURA-ACE Di2 R9170 に最高級ビッグプーリーであるCeramicSpeed OSPWのCoated仕様、スプロケはSRAM RED22(11−28T、11-32T)、CS-R9100(11-25~11-30T)を状況に応じて使い分け。チェーンも最高級のKMC DLC11SL。オイルは世界最速のCeramicSpeed UFO Drip New Formulaを使用。駆動系も、トコトンこだわって理想を追求しました。
パワーメーターはISNと同じで4iiiiの左右計測モデル。チェーンリングは平地向きの53/39Tですが、激坂には11−32Tのスプロケで対応します。
また、これは副産物なのですが、この歯数とビッグプーリーの組み合わせならば、11-25T、11−28T、11−32Tを同じチェーン長で22枚すべてのギアを使用出来ます。ラッキー!
メインのホイールは先日アップしました、SMITH Ceralight。35mmハイトながら実測1,200gの超軽量ホイールに、GOODYEARのEAGLE F1 SUPER SPORT(25c・190g)、REVOLOOPのTPUチューブ(25g)と、これまた超軽量な組み合わせ。DURA-ACEのスプロケや11-32Tでも、ペダル、ボトルケージ、サイコンとライト台座まで込みで6.7kg台に収まります。ヒルクライムレースの際には6.6kg未満になるでしょう。
一般的な完成車と同条件(カタログ写真の状態)での計測なら、6.3kg以下になりますし、パワーメーターやビッグプーリー、サテライトスイッチも外し、チェーン長やバーテープの巻き量を減らせば、6.1kg前後もおそらく実現可能。
ですが、私のパーツチョイスのコンセプトは、最高の効率を追求しつつも100%の信頼を置ける、使い勝手や快適性を一切妥協しないものであること。そして平地も山も、ちゃんと速いこと。耐久性と快適性に難のあるフルカーボンサドルや取り出しにくいボトルケージ、パンクリスクの高いタイヤなど、犠牲の多い軽さや空力だけのパーツは使いません。逆にパワーメーター、サテライトスイッチやビッグプーリーのような、多少の重量と空力を犠牲にしても得られるものの方が遥かに大きいパーツは進んで使用します。
そのコンセプトから、サドルは140g未満とは思えないぐらい素晴らしく快適な CADEX BOOST、ボトルケージは15gと軽量ながら、使い勝手に不満のないELITE Leggeroを選択。取り付けはKCNCの軽量ボルトで。
チェーンキャッチャーはフルカーボン+チタンボルトのAlpitude。チェーン落ちを避けたい、でも重量を増やしたくないという要望を叶えてくれます。
この構成でも平地40km/h巡航は短時間なら余裕でしたが、ここはやはり、より速くて見た目にもインパクトがある60mmクラスのディープリムも欲しいですね。現時点での理想は、リムブレーキでも信じられないくらい速かった内幅22.4mmでフックレスリムのCADEX 65か、外幅・内幅ともに最大級かつ好きなタイヤ・チューブが使えるAEOLUS RSL62。とりあえず、単独ビワイチでAve 39km/h以上が今年の目標です。
OSTRO VAM + CADEX65(サイコン込み7.2kg)
もうちょっと詳細なインプレ
先述の通りサイズの選べる一体型ハンドルバー・シートポスト、最上級のBB&ヘッドセット、そしてFACTORバーテープ、スペアのRDハンガーなど多数の小物が付属します。
つまり、コンポーネント、タイヤ、サドルだけ用意すれば完成車になります。アルテグラDi2でもホイール次第でペダルレス完成車重量7kgは余裕で達成出来ます。(お見積りはお気軽にご相談ください!)
私も他に乗っている人をまだ見たことがないほどレアなブランドですが、その中身は超一級品!FACTORには、もっと軽い O2 VAM 、もっとエアロな ONE 、リーズナブルなO2もあります。
OSTRO VAM はホイールの選択次第で、エアロ・軽量・エンデュランスなどのあらゆるカテゴリーに特化したバイクとも対等以上に渡り合ってしまう一台と言えます。実世界に上りだけ、平地だけ、荒れていない路面だけが続く状況なんてありませんので、この方向性は大歓迎!ロングライドでは無敵ではないでしょうか?!
私の脚質、体格、用途にもベストマッチなバイク。
これからのライドが楽しみで仕方ありません!!
※紹介した商品、全部ストラーダバイシクルズ各店で買えます(笑)